どうもにのみです!
今回は『中小企業診断士1年目の副業の実態』を詳しく解説していきます!
中小企業診断士って副業をして稼げるの?平日忙しくて、土日しか活動ができないけど問題ない?というお悩みありませんか?
筆者自身も会社員時代に、終身雇用の時代が終わることや、給料が増えない世の中をみている中で、このままでいいのか?自分で稼ぐ力を身につける必要があるのではないか?と思いました。
しかし、新卒間もない時に専門性はないし、どう稼いでいいかわからないし、稼ぐ自信もありませんでした。
そんな中、スキルアップを前提に中小企業診断士資格の取得を目指しましたが、合わせて副業で稼ぎを増やしたり、会社に依存しない形で稼いでいきたいという思いで試験勉強を始めました。
本記事では、同じような疑問を抱えた方向けに、「会社員が副業で稼げるのか?」、「どれくらいの稼働時間で稼ぐことが可能なのか?」について解説します。
なお、筆者(にのみ)は会社員時代の2020年に中小企業診断士試験を受験し、2021年度に中小企業診断士に登録した現役の中小企業診断士です。
現在は独立していますが、会社員時代に副業で稼いでいた経験もありますので、それを踏まえてご説明します。
【この記事で解決できるお悩み】
・中小企業診断士ができる副業とは?
・副業をやるにあたって、注意すべき点は?
・実際、1年目の具体的な稼ぎの額や稼動時間は?
中小企業診断士の副業の種類について
中小企業診断士が従事する副業とはどのようなものがあるのでしょうか?
専業があるわけではないので、幅広く活躍ができますが、多くの診断士は以下の業務で稼ぐことが多いです。
中小企業診断士が稼ぐ副業
- コンサルティング業
- 補助金申請業務
- 執筆活動
- 研修・セミナー講師
- 資格の学校の講師や採点業務
①コンサルティング業
中小企業診断士はコンサルティング業務に携わる唯一の国家資格です。
従って、企業のコンサルティング業務は中小企業診断士が得意とする領域です。
仕事の獲得経路としては、商工会議所などの地域繋がりや、紹介などがあります。
またクラウドソーシングなどのスポットでのコンサルティングもありますが、基本的には顧問契約を結び、長期的な支援を行います。
その他、特徴としては、他の中小企業と関わる税理士や社労士、行政書士などの士業と比べて、”決まった業務がない”かつ“売上向上に寄与できる”と言った面から、結果を出す診断士の報酬額はかなり高く設定できると言えます。
駆け出しの頃は、月5万円〜が目安になります。
【コンサルティング業のまとめ】
・コンサルティング業は中小企業診断士の中核の業務
・案件獲得は公的業務と民間業務に大別される
・金額はある程度レンジの幅があり、高い報酬を狙うことも可能
②補助金申請業務
補助金は主に経済産業省が予算を組まれて、企業に向けて公募されています。
用途は補助金によって異なり、建物や機械設備、広告費など多岐に渡ります。
管轄は経済産業省の中小企業庁が取り扱っているため、中小企業庁と関係が深い中小企業診断士が得意とする業務です。
申請業務の内容は、主に事業計画書の作成となり、中小企業診断士2次筆記試験で学ぶような経営戦略について立案していくものになり、試験で身についたスキルは発揮する初めての副業業務として取り組む診断士も多いと言えます。
補助金申請業務は、ある程度労働集約的な面があるので、診断士協会に入会して先輩診断士が獲得して手が回らない業務を引き受けるような形で最初は始める方が多いです。
元請けの場合の報酬は、おおよそ補助金額の10%としている方が多いです。
【補助金申請業務のまとめ】
・補助金申請業務は2次筆記試験の経験を活かせる業務
・案件獲得も比較的しやすい
・成功報酬を設定する場合が多く、補助額が大きいほど報酬が大きくなる
③執筆活動
本や雑誌の執筆を行うことも中小企業診断士の業務として多いです。
様々な業界紙をビジネス目線で執筆することもあれば、中小企業診断協会や公的機関からの依頼で執筆する機会もあるでしょう。
執筆活動は、取材しそれを書く力、現場対応力など必要なスキルは多岐に渡ります。
そのため取材の学校という中小企業診断士向けに取材・執筆のイロハを教えてくれるコンサルティング会社もあり、こちらで専門性を高めて案件獲得をしている方もいました。
また2次筆記試験で身につけたライティング能力を活用して、ブログやアフィリエイトの発信を通じて収益を確保することも可能でしょう。
報酬は、文字単価1〜3円で依頼されることが多く、信頼を獲得できれば報酬の増額も期待できるでしょう。
【執筆活動のまとめ】
・執筆活動は多岐に渡るスキルが必要
・執筆のコンサル会社で学ぶ選択肢もある
・報酬は、文字単価がベース
④研修・セミナー講師
商工会議所を中心にセミナー開催することが多く、中小企業診断士が研修の講師として登壇する機会があります。
基本的には商工会に入会した中小企業診断士から講師が選ばれることになりますので、まずは地元の商工会に入会し、関係性を構築していくことが必要です。
公的な場で実績を作ったり、本業の方の専門性を発揮できれば、報酬が比較的高い民間企業のセミナー講師としても呼ばれることがあるでしょう。
報酬の目安は、商工会でおおよそ4〜6万円、民間であれば10万円〜のイメージです。(民間に関しては、さらに高い報酬もあり得ます)
【研修・セミナー講師のまとめ】
・研修、セミナー講師も公的と民間に大別される
・民間の方が比較的報酬は高め
⑤資格の学校の講師や採点業務
資格の学校に通っていた方は、合格後に講師や採点の業務を受けることができます。
講師業は、授業を行うことに加えて、作問をする業務もあったりします。
採点業務は中小企業診断士っぽくない業務かもしれませんが、その後の講師業等にもつながると考えると、検討の余地もあるでしょう。
また受験生支援という観点で貢献したいという方にも合っていると思います。
単価は、授業:1コマ数万円(準備含む)、作問:1作問数千円〜数万円、採点:1枚数百円と言った金額イメージになってきます。
【資格の学校の講師や採点業務のまとめ】
・受講した資格の学校からの案内で、業務を受注することが多い
・受験生の支援ができる
・報酬は業務によって異なる
副業を行う際の注意点
ここまで副業の種類について紹介してきましたが、実際に副業を行うにあたって、数点注意することがあります。
逆に言うと以下の注意点に対して、事前に対策をとっておくことで、会社に所属しながらも安心して副業ができるようになります。
①会社に許可を取る必要がある
会社に勤めている場合、会社の職務規定で副業禁止としている企業はまだまだ多いというのが現実です。
その場合、すぐに諦めず、まずは人事に掛け合ってみましょう。
筆者が勤めていた会社でも、職務規定上はNGとなっていましたが、人事に問い合わせたところ、『利益相反にならなければ問題ない』という判断で副業を許可してもらいました。
また知人の会社では、単純に副業が認めてもらえなかったので、中小企業診断士の資格維持のためには実務ポイントを取得する必要があるためと言った交渉で、副業を認めてもらえたケースも耳にしています。
意外とこれまで副業をやろうとした人がいなかったので、職務規定の見直しが行われず副業NGのままの企業も多いですので、すぐに諦めることなく問い合わせることをオススメします。
ちなみに、会社に副業がバレるパターンとしては以下があります。
・住民税の請求額が、会社が把握している本業の収入から逆算した額と比較して明らかに乖離がある
・社内の人からの人づてに知られる
くれぐれも会社の職務規定を破って、こっそりと副業を行わないよう注意しておきましょう。
②支援先と稼働について事前に共通認識をしておく
会社員の方は基本的に平日の終業後、もしくは土日に副業の業務を行うことになります。
そのため、支援先とのやりとりが平日昼間にはなかなかスムーズにできないこともあるでしょう。
この際に、事前に平日の夜や土日しか対応できないことを必ず支援先と合意しておく必要があります。
大抵の場合、それで契約が見送りになることはないです。
従って、土日の稼働だけで副業ができるのかな?と言った不安を抱えている方も安心して案件獲得に臨みましょう。
③確定申告が必要
中小企業診断士として副業をしっかりすると、確定申告が必要な20万円を超える収入が得られるようになります。
そのため、これまでは会社が年末調整をしてくれて、確定申告をする必要がなかった人も確定申告の必要が出てきます。
確定申告をしなかった場合は、無申告課税が課され、納付すべき税額に対して50万円までは15%・50万円を超える額は20%の割合を乗じて計算して支払う必要がありますので、必ず確定申告をするようにしましょう。
確定申告が難しくて出来なさそう、という方もFreeeや弥生オンラインのような会計ソフトがありますので、そちらを活用することで簡単に確定申告が可能です。
むしろ中小企業診断士がで学んだ財務会計的な知識のアウトプットができますよ。
④開業届を出す
上記の確定申告に合わせて、開業届を出しておくことをおすすめします。
開業し、中小企業診断士の副業を事業所得として認められれば、経費処理が可能となったり、青色申告によって控除や赤字の繰越ができたりと、多くのメリットが享受できます。
また中小企業診断士として屋号を構えることもできますので、取引先との信頼関係構築にもつながるでしょう。
ただし、注意点としては、記帳の義務が発生したり、失業保険がもらえなくなったり、社会保険の扶養を出なければいけません。
2022年8月に国税庁から「会社員の副業収入が300万円を超えない場合は事業所得ではなく雑所得にする」という衝撃の発表がされました。
つまり、副業収入に対する実質増税と経費申請が認められないことになります。
しかし、その後パブリックコメントの大反対を受けて、「帳簿をつけていれば事業所得として認める」と修正されました。
従って、事業としてやっていくのであれば、会計ソフトを使った帳簿作成が必須となりますので、1万円程度の費用はかかりますが、必ず導入しましょう。
中小企業診断士資格は副業で稼ぐ以外にもメリットが多い
中小企業診断士資格取得をきっかけに、副業で稼ぐ人は多いですが、金銭的な面以外でも次のような多くのメリットがあります。
①社内外からの評価が変わる
中小企業診断士資格は国家資格で一定の認知度がありますので、名刺にも記載している方は多く、社内外でも一目置かれるようになります。
また企業の組織人事や財務会計知識、生産管理など、企業に関わる多くのことを学べますので、経営企画のようなより経営に近いポジションを目指すこともできるようになります。
実際、筆者の知り合いの方でも、中小企業診断士取得後に、希望する部署への移動がスムーズにいった例をいくつも聞いています。
企業によっては、資格手当も出たりしますので、副業をしなくても本業の方で自動的に給料が高くなると言ったメリットもあります。
②転職活動に有利に働く
前述の①と被りますが、転職活動にも生きてきます。
当然、中小企業診断士資格を持っているから即採用とはいきませんが、転職を通じたキャリアアップをしている方も多くこれまで見てきました。
また、資格勉強当初から転職を目指して中小企業診断士取得を目指している人はそれほど多くなく、資格取得を通して人生について改めて考えるようになったり、新たなキャリアが見えたことで転職する人が多いです。
③普段会えない人に会うことができる
会社員の多くの方は、特定の業種や取引先との関わりが深く、それ以外の方と会う機会は少ないのではないでしょうか?また経営者にも会う機会が多い人も少ないと思います。
中小企業診断士は業種問わず様々な企業・経営者と関わることがあるため、これまで会ってこなかった人との出会いが非常に多いです。
これまでの繋がりを中心に仕事をしていくことも良いですが、外に目を向けることで様々な気づきを得られることもたくさんあります。
④毎日が充実する
抽象度が高いメリットですが、筆者自身はこのメリットを大いに感じています。
まずは1年間の勉強期間を社会人で確保するというのは、かなり大変ですが、普段無駄に過ごしていた時間を見直すきっかけになります。
また社会は企業活動と深い繋がりがあるため、企業のことを知っておくことは世の中のことを知ることに等しいと言えます。そんな企業のことを全般的に学べる中小企業診断士を取得することで、社会の出来事が理解できるようになりますし、1年間の勉強習慣により、わからなければ調べようという習慣も身につきます。
中小企業診断士資格は特に要件はなく、誰でも受験できますので、この機会にぜひ取得を検討してみませんか?
筆者の場合の1年目の副業収入と稼働時間
ここまで一般的な話をしてきましたが、ここからは筆者自身が中小企業診断士取得1年目でどれくらい稼いだのかを紹介していきます。
まず前提として、副業を始めた当初の筆者のスペックを紹介します。
【副業を始めた当初の筆者のスペック】
・新卒3年目の27歳
・勤務先はプラントエンジニア業界
・設計を担当しており、営業技術等はなし
・中小企業との繋がりもなく、支援先は事前に特になし
・新卒3年目なので専門性は皆無
以上のように、副業を行うにあたって大した強みはなく、稼ぐためには泥臭いことも必要と考えており、特にプライドもなかったです。
副業収入額
前述のようなスペックの筆者が1年目に稼げた副業の金額は約55万円です。内訳は以下のようになっています。
・補助金業務:約40万円(持続化補助金1件、事業再構築補助金2件)
・ECサイトの立ち上げ支援:約15万円
※売り上げは発生ベースで記載しています。実際には、2件目の事業再構築補助金を書き上げたのは12月で、2月に採択されたので、成功報酬として50万円ほど得ています。
仕事の獲得した経路としては、補助金は当時の会社の先輩診断士の紹介で補助金を中心に支援されている方を紹介いただき、そこから業務委託で仕事を受注しました。
ECサイトの支援は、研究会と呼ばれる組織に所属して、そこで手を挙げてプロジェクトチーム的に支援を実施しました。
前者の仕事の獲得方法は特殊なパターンかもしれませんが、後者の獲得方法は参考になる一つの方法かと思います。
どれくらい稼働時間を取っていたのか?
筆者が実際に年間約55万円稼いだ時に、どれくらい稼働していたかというと、ECサイトの支援の時は、おおよそ週に10時間は稼働していたと思います。
土日のどちらかはカフェにこもって、様々な調査をして、平日は資料作り等をしていました。
補助金に関しては、全く知識がなかったので、業務委託元の方からレビューを細かく受けながら仕上げていったため、おおよそ3週間程度で約4〜50時間程度は計画書作成に時間をかけていました。
この時間に関しては、筆者にはスキルがなく、0からのスタートということもあったので、要領が悪かったという点で時間がかかっていると言えます。
ただ、丁寧に仕事をこなし、スピードは慣れてくればついてくるものだと思いますので、まずは確実に業務をこなすことをオススメします。
ノンスキルで稼ぐにはとにかく手を挙げるべき
筆者の場合の副業について紹介してきましたが、ご覧の通りほとんどスキルがない状態でしっかりと稼ぎを上げられていることがわかると思います。
その最も大きな理由としては、
『まずは手を挙げてみていた』
と言う点に尽きると思っています。中小企業診断士になって、登録すればどんどん仕事が流れてくるかと言うと、絶対にそれはないと言いきれます。
一方で、診断士協会や様々な研究会への参加、案件獲得に対して積極的な姿勢などを続けることで、確実に仕事を確保できます。
特に1年目は積極的に仕事を振ろうという研究会や先輩診断士も多いので、他の診断士の方達よりも手を挙げれば仕事をもらいやすい環境と言えると思います。
ぶっちゃけると、自身がやったことがなくて大丈夫かな?と思っていることでも、まずはやってみると意外と結果を残せることに気づくと思います。
もちろん専門性がある方は、その専門性を軸に展開していくことは良い戦略かと思います。
中小企業診断士の資格は専業がなく、食えないと言われますが、獲得した案件や紹介を通じた案件を丁寧にやっていくことで十分稼いでいけますし、独立も視野に入れて取得しても問題ない資格だと言えます。
興味を持ったけど、どうやって勉強したらいいの?と言う方
中小企業診断士の稼ぎ方について知ったけど、どんな形で受験をして取得すれば良いの?と不安がある方には、オンライン講座がオススメです。
最近はオンライン講座のレベルが非常に上がってきているものの、通学講座に比べて5分の1程度で受講が可能な非常にコストパフォーマンスにすぐれた講座となっています。
是非、下記の記事を参考に受講を検討してみてください。

まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は中小企業診断士の副業について紹介してきましたが、結論は「中小企業診断士は副業でも十分稼げる」です。
受験を迷っている方も、取得することで金銭的な面も人生の幅という面でも大きく得るものがありますので、積極的な受験をオススメします。