[word_balloon id=”unset” src=”https://dokuritsu-shindanshi.com/wp-content/uploads/2021/03/komatta_man2.png” size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”困った人” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]5月末に私の会社の決算が出たんだけど、業績がいいかどうかよくわからん。。。
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こんなお悩みありませんか?
実は先日、私の現在の会社の同期(3年目)からも同様の質問が来ました。勝手な私の体感ですが、企業に勤めていらっしゃる方の8割くらいは、決算書のどこを読めばいいのかわからないというイメージです。
この記事にたどり着いた方は、是非この機会に決算書を読めるようになっておきましょう!
決算書とは
決算とは、企業が年に一度、会社の経営状態について報告する行事です。
その際に文書として色々な書類を出すのですが、それらをまとめて決算書と言われます。
細かい説明を抜きにすると、まず最初に見て欲しいのは以下です。
・貸借対照表(Balance Sheet)
・損益計算書(Profits and Loss)
貸借対照表は会社の資産や負債状況などの健康状態を表し、損益計算書は会社の収入と支出の関係を表しています。
他にもキャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書等の書類もありますが、今回は特に紹介しません。
またそもそも貸借対照表や損益計算書がよくわからん!という方は、以前の記事で財務3表について解説しましたので以下を参照ください。

財務諸表は株主や銀行、経営者、従業員など様々な利害関係者が見る物です。
そして立場によって異なる視点から見られます。株主であれば利益に対してどれだけ株主への還元をしてくれるのか、また銀行であれば、きちんと返済できるのか、といったような具合です。
今回はビジネスマン向けにどこを見るべきかに注目して紹介していきます!
見るべきポイントは大きく分けて3つ
決算書にはたくさんの指標が書かれていますが、最初のうちは大きく3つについて見れればOKかと思います。
①安全性指標
会社の倒産の危険はないか、借入をしすぎてはいないかなど
②収益性指標
企業はどれくらい稼げているのか
③効率性指標
どれだけ効率よく売り上げを挙げられているか
安全性指標
自己資本比率
自己資本比率とは、自己資本(資本金や利益剰余金等)を総資本で割ったものです。
(自己資本比率)=(自己資本)÷(総資本)
基本的にはプラスであれあるほど安全性が高く良いとされ、これがマイナスであれば「債務超過」という企業としてはかなり危険な状態ということが言えます。
ただし、大きすぎても自己資本の中だけでは投資に制約がかかったりと、一概に良いとも言えません。
一般的には、以下のように自己資本比率が評価されます。
・70%以上:ほぼ無借金で超優良企業
・50%以上:優良企業
・20%~49%以上:一般的な水準(40%以上であれば、倒産のリスクはほとんどない)
・10%~19%:資金力に不安あり。利益体質の改善が必要。
・9%以下:早急に利益体質の改善を図り、会社の黒字化を優先必要あり
・マイナス:債務超過
流動比率
流動比率は1年以内に現金化できる資産である流動資産と、1年以内に返済しなければならない流動負債の比率を示した指標です。
(流動比率)=(流動資産)÷(流動負債)
100%を下回ると、急に返済しなさいとなった時に現金化しやすいものが足りておらず、返済できません。ということになってしまいかねません。
従って、100%という値を基準点として確認しておく必要があります。
収益性指標
自己資本利益率(ROE)
自己資本比率とはROE(Return On Equity)とも言われ、当期の純利益と自己資本の比率を表した指標になります。
(自己資本利益率)=(当期純利益)÷(自己資本)
これは自己資本、つまり株主が出したお金でどれくらいの儲けを出せているかを示します。
もっというと株主の投資効率を示しており、高いほどいいと言えます。
従業員の方は持株会等で自社株を持っていることも多いかと思うので、この辺りも見ておくべきでしょう。
ちなみに日本企業の場合は概ね5%程度と言われている一方、アメリカは平均12%という値を出しています。
総資本利益率(ROA)
総資本利益率とはROA(Return on Assets)とも言われ、総資本に対して、利益をどれだけ生んでいるかという指標です。
(総資本利益率)=(利益)÷(総資本)
ROEとの違いは、資本をどこまで含めるかです。ROEと同様、高いほど効率よく利益を生めており、いいと言えます。
基本的にはROEで収益性が判断されますが、ROEは自己資本を減らし、分配したり、自社株を購入することで高く見せかけることも可能なため、純粋な収益性という観点ではROAの方が適切であるとも言われます。
効率性指標
売上債権回転率
売上債権回転率は売上と売上債権の関係を示す指標です。これまではパーセンテージで表現されていましたが、回数で表現されます。
(売上債権回転率)=(売上高)÷(売上債権)
売上債権回転率は売上債権に対して、現金化がどれほど出来ているという効率性を示します。
売上債権は少ないほど現金化できている、つまり企業にとってはキャッシュが生まれていることになるので、プラスとなります。
従って、売上債権回転率は高いほどいいと言えます。
その他確認しておきたい指標
各種利益額と利益率
これらの額と率(÷売上高)も見ておきましょう。
・総利益
・営業利益
・経常利益
・当期純利益
単純に額という点は重要です。企業規模や市場規模に対して、その企業がどれほどのものか見れるところまでいけるとかなり良いです。
また額が大きくても、利益率が1%ではちょっとまずいですよね?
従って、率も合わせて確認しておきましょう!
各年の売り上げ、利益の推移
各指標に関して算出できたら、過去3年分くらいは遡って算出してみて傾向を見てみましょう!
例え今季が黒字だったとしても、前年比で売上や利益が悪化していることもあります。
逆に赤字だけど、前年よりかは幾分ましになっているかもしれません。
自社の場合は長期目線という点を持って、戦略も立てられるかと思います。
一番重要なことは?
ここまで色んな指標を紹介してきましたが、一番大事なことはなんでしょうか?
それは「なぜうちの会社(もしくは他者)はこういう状態なのか」ということを自分で考えてみることです。
最近売上が上がっているのは〇〇が流行っているおかげかな?とか、今年の利益が昨年より大きいけど、これは△△という固定資産を売ったから業績がいいわけではないな等々、単なる指標だけではわからない背景も隠れていたりします。
勘所がわかればサクサクと決算書を読めるようになっていきますので、まずは自分の考えの仮説を持ってみてみるのがよいでしょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?
決算書というのは上場しており、株式公開している企業に関しては開示義務がありますので、自身が好きなメーカーやブランドの企業の決算書類をまずはみてみると色々な想像ができて楽しいですよ!
是非、気軽に決算書類というものを見てみてくださいね!
また上記で紹介した見方はほんの一部でしかないので、興味を持った方は是非本等で更に学んでみるのもいいですね!