診断士1次試験

【中小企業診断士】1次試験の各科目の難易度を詳しく解説!

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今回は中小企業診断士1次試験の各科目の難易度について解説していきたいと思います。

以前の記事で1次試験全体における突破率というのを紹介しました。

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【中小企業診断士とは?】人気No1.資格!取るなら今!!!これから中小企業診断士を受験する方に向けた試験内容や難易度等を解説しています。...

中小企業診断士を目指す人の中には1.5年計画で科目合格を目指す方や、1年合格を目指す方でも各科目の難易度がどれほどのものなのかをもっと詳しく知りたい方がいるかと思います。

この記事を見れば、それらがわかります!では行ってみましょう!!!

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科目合格とは?

まず科目合格制度について、説明しておきます。

1次試験の突破及び、科目合格条件は以下です。

1次試験の突破及び、科目合格条件

<1次試験の合格条件>
・7科目合計420点を超える
・全ての科目で40点以上(つまり1科目でも40点未満だと不合格)

<科目合格の条件>
・7科目420点超えられない or 40点未満の科目がある方が対象
・60点を超えた科目が対象
・翌年と翌々年の該当科目の受験が免除

7科目もある1次試験を最短で突破するためにはある程度戦略が必要です。

以下の記事では最短経路の勉強順番を紹介していますので、参考にしてください。

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【中小企業診断士1次試験】独学で試験を最短で合格するための各科目の勉強の順番、勉強時間は?この記事は中小企業診断士1次試験における勉強を進める順番・科目の内容・各科目の勉強時間の目安について記事にしています。...

各科目の難易度は?

中小企業診断士の1次試験の科目は以下です。

<中小企業診断士の7科目>

・経済学・経済政策
・財務・会計
・企業経営理論
・運営管理
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営・政策

※今回の比較はJ-SMECA中小企業診断士協会を参考にしています。しかし、単純な科目合格者というのは出ていないので、以下の計算式で難易度を比較しています。

今回、各科目の難易度を科目合格率から推測してみました。計算式は以下です。

科目合格率(%)=(科目合格者数(人)-1次試験合格者数(人))/ 科目受験者数(人))

以後の比較が100%正しいとは言えませんが、おおよそ値は正しいです。

またR2年度の合格率はコロナの影響もあり、本気度の高い受験生しか受けておらず、合格率が高めに出ているという推測等も出ているので、そのあたりはご自身でかみ砕いて理解してもらえればと思います。

経済学・経済政策

経済学・経済政策の概要

出題範囲は、マクロ経済学ミクロ経済学です。

マクロとミクロの違いはざっくり以下のようなイメージ感です

・マクロ経済:日本全体とかレベル感
・ミクロ経済:1企業にフォーカスを当てたレベル感

これくらいの知識でOKです。この科目では計算と図を使ったりもしますが、それほど難しい計算は出てきません。

この科目を勉強すると、マクロ経済では円高・円安がどう経済に影響を与えるのかを理解できますし、ミクロ経済ではゲーム理論(例えば携帯3社がなぜ同じプランを出すのか)とかを理解できます。

勉強が進むと、世の中の事象が構造的に理解できるので、勉強が楽しくなってくると思います!

では合格率を見てみましょう。

年度科目受験者(人)1次試験合格者(人)科目合格者(人)科目合格率(%)
H23143042590122810.5
H24148523519268923.7
H251210030942582.9
H26133983207260125.5
H27119563426185221.7
H28122662404363636.9
H29117703106275631.8
H30115483236304836.7
R1125644444324139.9
R298495005231147.7
出典:J-SMECA 中小企業診断協会

H25年は2.9%の合格率という記録を残している科目です。

ただ近年は易化傾向にあるようで、基本的な論点を抑えることができれば科目合格を目指すことも、得点源とすることも可能でしょう。

また2次試験において、経済科目は使うことは全くありませんが、近年の易化傾向を見ても得点源とすることは可能なので、苦手意識を持っている方以外は受験免除されていても再受験をお勧めします。

財務・会計

財務・会計の概要

この科目は計算がメインの科目です。

試験内容は、名前の通り財務(ファイナンス)会計(アカウンティング)です。会計は更に制度会計と管理会計に分かれます。

・財務:企業価値や投資するかどうかを決定したりする意思決定会計等
・制度会計:社外に向けた会計(財務諸表等)
・管理会計:社内に向けた会計(セグメント毎の売り上げ等)

またこの科目は2次試験の事例Ⅳでメインとなる科目であり、2次試験で差がつきやすい科目になるので、必ず抑えておきたい科目です。

この科目をマスターすれば、簿記2~3級の間程度の知識がつくといわれています。

簿記を持っていれば得意科目になりえますし、持ってなくても目的が診断士合格なのであれば、簿記をわざわざ事前に取る必要は全くありません。

では合格率を見てみましょう。

年度科目受験者(人)1次試験合格者(人)科目合格者(人)科目合格率(%)
H23143882590153813.0
H241421335195345.0
H25143433094237421.1
H261278432077848.2
H27126493426466650.6
H28107532404232027.8
H29115733106296935.1
H3012033323687610.0
R1141574444231023.8
R2107385005116120.3
出典:J-SMECA 中小企業診断協会

計算がある科目なので、年度毎の難易度に大きなばらつきがみられる科目です。

財務会計という科目は60分で25問の計算があるため、他の科目と比べて時間が短い科目という特徴があります。

25問中でも時間がかかる問題と、知識で解ける問題があるので、科目合格のためには妥協もしながら問題を解いていく必要もあります。

財務会計は2次試験でも使いますし、計算問題が得意な方にとっては得点源になりうるので、受験免除されている場合は、出来れば再受験された方が個人的にはいいと思いますが、計算が苦手な方にとっては、リスクが高いので、そのまま免除でもよいと思います。

企業経営理論

企業経営理論の概要

内容は大きく以下の3テーマです。

・企業戦略論
・組織論
・マーケティング論

これらの内容を学ぶことで、「強みをやターゲットを把握し(企業戦略論)、そこに経営資源をどのように配分し(組織論)、どのように商品やサービスを届けるか(マーケティング論)」という中小企業の基本基本戦略を学ぶことができます。

また企業経営理論は、中小企業診断士試験の核」です。

2次試験でもこの科目を中心に出題されるので、確実に理解しなければならない科目です。

では合格率を見てみましょう。

年度科目受験者(人)1次試験合格者(人)科目合格者(人)科目合格率(%)
H23140252590183816.1
H24139263519174116.7
H251371130949358.8
H26137963207194818.4
H27126283426210522.9
H28126592404374636.5
H29121083106109112.1
H301303732369279.5
R1150264444162515.4
R2114625005222634.5
出典:J-SMECA 中小企業診断協会

H28年とR2年度は35%程度の高い合格率でしたが、おおむね10~20%を推移しているといえます。

苦手科目として取り上げられることの多い「企業経営理論」ですが、他の6科目と比べても合格率は少し低めの科目です。

企業経営理論は2次試験でも最重要科目ですが、個人的には受験免除されている状況下での再受験はあまりお勧めしません。

なぜなら抽象度の高い科目になるので、得点源としにくい科目だからです。予備校の解答速報でも間違えたりする判断が難しい科目なので、権利があるなら受験免除しておきましょう。

運営管理

運営管理の概要

勉強内容は、生産管理店舗・販売管理です。つまり、製造業と小売業についての科目です。

・生産管理:製造業のオペレーション
・店舗・販売管理:小売業のオペレーション

また運営管理は2次試験の事例Ⅱ・Ⅲで問われるので、十分な理解が必要な科目です。

製造業・小売業で働かれている方は有利ですが、しっかり勉強すれば大した差にはなりませんし、2次試験では現場を知りすぎているからゆえの難しさもあったりします。

では合格率を見てみましょう。

年度科目受験者(人)1次試験合格者(人)科目合格者(人)科目合格率(%)
H23133332590185817.3
H24135653519263026.2
H25125923094132313.9
H26128383207228823.8
H27119563426185221.7
H28118652404139514.7
H291320731064104.1
H30115483236304836.7
R1127954444292135.0
R29745500591219.2
出典:J-SMECA 中小企業診断協会

H29年の超難化した反動で、H30年は超易化していますね。令和2年度は20%程度の合格率まで落ち着いているので、今後はH23~H28年度まで続いていた20%合格率程度の合格率を推移するのではないかと考えられます。

運営管理は2次試験でも使う科目ですが、2次試験勉強に入って復習するレベルでも十分間に合う量です。

製造業や小売業など、運営管理に普段から関わっている方は、受験免除されていても再受験する選択肢はありかなと思います。

経営法務

経営法務の概要

この科目は1次試験のみで、暗記色100%の科目です。

内容はビジネス関連の法律を中心に出題され、特に以下の範囲がよく出題されます。

・民法(経営を行う上での関連する法律)
・会社法(会社の種類や設立等の法律)
・知的財産権(特許権等について)

経営法務の特徴は、用語が難しいことが挙げられます。

法律関係の仕事をしていない限り聞いたことがない用語がたくさん出てきますので、ゴロを使ったり、ベースとなる知識を習得して、確実な定着をしていくことが合格には必要でしょう。

では合格率を見てみましょう。

年度科目受験者(人)1次試験合格者(人)科目合格者(人)科目合格率(%)
H23148642590346528.2
H24129363519234124.9
H25125853094265528.0
H26121533207126314.1
H27124543426141915.7
H281325924048397.7
H29142693106119210.7
H301385432367136.7
R1150754444153014.4
R2115685005139021.2
出典:J-SMECA 中小企業診断協会

H28~H30年は10%切ってしまうような難しい年が続きましたが、近年は20%程度の難易度で来ています。

難易度が高い年度にあたった場合は、足切りに合わないように確実な得点源をモノにして、他の科目で補いましょう。

受験免除されている場合、再受験は難しい年に当たった時のリスクが高いのでお勧めしません。

経営情報システム

経営情報システムの概要

経営情報システムはやや2次試験に関わる、かつ100%暗記色の科目です。

内容は、情報技術に関する領域情報システムに関する領域の2つです。

・情報技術に関して:ハードやソフト、ネットワークに関する知識
・情報システムに関して:IT化の進め方やセキュリティに関する知識

2次試験に関わると書きましたが、2次試験の演習の際に復習する程度で十分挽回できる科目なので、複数年計画の方は1年目に合格してしまい、内容を忘れてしまっていても全く問題ありません。

では合格率を見てみましょう。

年度科目受験者(人)1次試験合格者(人)科目合格者(人)科目合格率(%)
H23134922590487044.7
H24111453519288037.8
H25116233094602170.6
H26100313207150222.0
H271117234267169.2
H28133852404114310.4
H29137253106364634.3
H30114983236262831.8
R1122854444327141.7
R299855005286857.6
出典:J-SMECA 中小企業診断協会

この科目は合格率のインフレが起こってますね。他の科目との合格率の軸の大きさが倍ほど違います。

全体としてかなり合格率は高い科目です。

H27・28年は10%程度という合格率でしたが、それ以降から近年にかけては合格率は右肩上がりです。

IT系の知識が世の中に浸透してきた効果もあり、今後も他の科目と比較しても高めの合格率で推移していくのではないかと考えられます。

2次試験では特に使うことのない科目ですが、上記のように7科目の中では比較的簡単な科目に分類されますので、免除されている方でも得点源として再受験するのがよいかもしれません。

中小企業経営・政策

中小企業経営・政策の概要

中小企業経営・政策は1次試験のみ100%暗記です。

内容は、中小企業経営中小企業政策に大別されます。

・中小企業経営:中小企業の特性や実態に関する知識
・中小企業政策:国や地方自治体が行っている中小企業への施策に関する知識

中小企業経営に関しては中小企業白書を参考にして出題され、毎年少しずつ数値が少し変わったりするので、独学の方は特に最新の教材を使うようにしましょう。

また合格後の活動まで見据えると、補助金申請等の国や地方自治体の中小企業の施策をサポートする業務を副業で行う方が多いです。

どんな補助金があって、金額がどれくらいで等々がわかる科目なので、診断士活動を行う点で考えると、重要な科目であるといえるでしょう。

では合格率を見てみましょう。

年度科目受験者(人)1次試験合格者(人)科目合格者(人)科目合格率(%)
H231372725907066.3
H24140883519245523.2
H25132103094222922.0
H26122833207382642.2
H27105713426129018.1
H28122832404153915.6
H29137913106150914.1
H30134493236309030.3
R11322944447378.4
R2116145005190528.8
出典:J-SMECA 中小企業診断協会

年度によっては10%を切る年度もあるものの、全体として安定して20%程度の合格率を出している科目です。

理由は中小企業経営はデータに基づいて出題され、中小企業政策は決まった制度になるので、ひねった問題を出しずらいからです。

従って、筆者的にはもう少し合格者が多くてもいいんではないかと思う科目ですが、2日目最終の7科目目の試験です。

受験された方はわかりますが、疲労困憊で頭が回りません。そのような要素もあってこれくらいの合格率なのかもしれません。

免除されている方に関してですが、再受験されてもよい科目かと思います。とにかく暗記暗記暗記の科目なので、覚えてしまえば高得点を望める科目です。

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まとめ

いかがだったでしょうか。今回は各科目の難易度にフォーカスを当てて解説してみました。

このデータを基に、それぞれの得意不得意を踏まえた戦略を立てていただければと思います。

ちなみに筆者は運営管理が結構得意で1次試験の得点源にしようと思っていたのですが、本番の試験では得意科目がゆえに序盤の計算問題に固執し、後半かなり焦り、試験終了後は足切りさえ覚悟しました。(汗)

このような経験も踏まえ、可能な方は7科目で満遍なく勉強し、超難化した科目があっても、それ以外の科目で補い、1次試験を突破するのがよいのではないかな~と思います。

特に独学の方は、どうしても資格の学校に通っている方よりも知識量で少なくなってしまうことが多いので、7科目を一気に受けることをお勧めします。