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【創業時の資金調達】創業融資を受けるには?自身で資金調達済みの中小企業診断士が詳しく解説!

どうも、にのみです。

今回は資金調達先として重要な日本政策金融公庫の「創業融資制度」について詳しく説明していきます。

制度について学んだ上で、実際に自身の事業で調達を行った中小企業診断士が説明しますので、ご参考にしていただければと思います。

こんな人におすすめ

・起業を検討している人
・起業をして間もない人
・創業支援をしたい人

資金調達の全体像を知りたい方からご覧ください。

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創業融資とは?

「創業融資」と言われると、単純に創業時の融資といったイメージかと思いますが、資金調達の時の創業融資は、日本政策金融公庫(政府系銀行)の『新創業融資制度』を表すことが多いです。

通常、創業時にはリスクが高いため、銀行は融資実行を避けますが、日本政策金融公庫は政府系の銀行として創業時の支援を実行してくれます。

創業融資の要件

新創業融資制度を利用できる方は、以下の要件に全てを満たす方です。

①創業の要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告2期終えていない方

②自己資金要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方
ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとします。

※「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業」については、後日記事をまとめます。

資金の使途

新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金

融資限度額

合計:3,000万円(うち運転資金:1,500万円)

返済期間

新規開業資金と合わせて利用する場合は、以下のような返済期間となります。

  • 設備投資:20年以内(据え置き2年以内)
  • 運転資金:7年以内(据え置き2年)

※ただし、上記は最長の返済期間であり、実際の返済期間は面談や審査を経て決まることとなります。

利率

申込者の状況や使い道、融資期間、担保の有無によって変わります。

若者や女性、シニアの方の起業であれば利率が下がったり、新規性の高い技術での創業時などが利率に影響をします。

ただ、創業時はリスクが高いため、その分利率は比較的高めに設定されています。

詳しくは日本政策金融公庫のHPをご覧ください。

国民生活事業(主要利率一覧表)

担保・保証人

原則不要です。

ただし、代表が連帯保証人となれば利率が0.1%低減されます。

創業融資のメリットとデメリットとは?

新創業融資制度の概要について紹介してきましたが、起業を始めて行う方にとって、何が他と良くて、何が悪いのかはわからない方も多いと思います。(恥ずかしながら、中小企業診断士を取得した後の筆者もそうでした。)

ここでは、他の金融機関と比べて、新創業融資制度のどこが優れていて、創業時には新創業融資制度を使うべきなのかを紹介していきます。

創業融資のメリット

理由は、以下が挙げられます。

①創業時の融資に前向き

②無担保・無保証で借りられる

③融資実行が早い

他の金融機関と大きく異なり、保証協会をつけなくても融資をしてくれるという点があります。

また無担保・無保証人に融資をしてくれる金融機関は基本的にないため、この点も起業時に借入をするハードルが下がる要因となるでしょう。

加えて、創業時はスピードが重要になることも多く、通常2〜3ヶ月ほどかかる融資審査が、自身で全ての書類等を揃えれば、最短で1ヶ月程度で融資実行がされる点も非常に大きなメリットです。

創業融資のデメリット

メリットは非常に起業家にとって大きなものばかりでしたが、デメリットも多少あります。

①利率が高い

②融資額の上限が最大3,000万円(うち運転資金1,500万円)

利率の高さは、自治体の制度融資と比べると金利が高いことが多いです。

しかし、一般的な金融機関から創業時に融資を受けられたとしても、かなり金利は低く設定されていますので、そこまで神経質になる必要はないでしょう。

融資額上限については、設備投資が必要な事業をされる場合には3,000万円では十分でない可能性があります。

この点は、信用保証協会付き融資と合わせて検討する方がいいでしょう。

調達までの流れ

必要書類

新創業融資制度申し込み準備の際には、必須の書類と任意の書類があります。

必須の書類

★創業計画書 or 企業概要書

★借入申込書(融資決定後)

最近2期分の決算書・確定申告書(決算を終えている場合)

履歴事項全部証明書(法人の場合)

見積もり(設備投資)

代表者の運転免許証またはパスポート

許認可証(飲食店などの許可・届出が必要な)

任意の書類

★月別収支計画書

事業概要資料等(事業説明する資料)

見積もり(運転資金)

過去の売上台帳(事業を始めてる場合)

※★がついた書類は、日本政策金融公庫のHPにテンプレートがあります。またコロナ融資の場合は別の資料が必要になる場合があります。

申し込みはインターネットで申し込みが可能で、申し込んだ後に公庫の担当者が別途連絡で、他に送ってほしい書類を教えてくれます。

その対応をしっかり行えば、申込時点で却下されることはありません。

また公庫の担当者は一人で数十社担当していることも多く多忙なので、上記の事業概要の資料は事前に見てもらえないことを想定し、面談時に持参した方が良いでしょう。

創業計画書はA3用紙1枚にまとめるのですが、書こうと思うと意外と何を書けば良いのか悩む方も多いです。

下記の記事を参考にして作成してみてください。

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調達までの期間

調達までの大まかな流れと期間は以下のようになります。

必要書類提出〜着金までは最速で約1ヶ月で、かなり早いことがわかります。

創業時のお金が必要な時期にこれほど早く融資してくれるのはありがたいですね。

ただし、担当者が忙しい場合もあるので、資金調達したい時期から逆算して早めに申し込むことをお勧めします。

担当者との面談は、基本的に1対1で1時間程度を目安に面談を行います。

また公庫は全国にあり、面談は事業を始める住所を管轄する支店が担当となりますので、こちらは日本政策金融公庫の店舗案内から確認しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回の記事で、創業融資の全体像や申請の流れが理解できたかと思います。

是非、創業融資の獲得を狙う事業者に参考になれば幸いです。